法人化することのメリット・デメリット

個人事業主として事業を行うか法人化するかを決めるためには、それぞれのメリットとデメリットについてを把握することが必要です。下記にて、その違いをまとめましたのでご参考いただき、ご自身の事業にあった形態をご検討ください。

項目 個人事業 法人
登記の有無 なし あり(登記コストあり)
設立コスト なし 24万円ほど必要
法人格 なし あり
信用力 低い 高い
資金調達能力 低い 高い
他人からの出資 贈与税の対象となる 資本金となり非課税
利益に対する税率 累進課税(最高45%) 一定
※中小企業の特例あり
決算期 毎年12月 自由に設定可能
経理処理 簡易な記帳でも可 厳密な処理が必要
代表者の給与 経費に出来ない 経費に出来る
代表者の退職金 支給出来ない 支給出来る(税金面で有利)
交際費の損金算入枠 制限なし 800万円まで
欠損金の繰越 青色申告のとき3年 青色申告のとき9年

上記表を参考に法人化のメリット・デメリットについて考えてみましょう。

法人化のメリットについて

(1)法人の場合は有限責任

会社の形態によって出資者が責任を負う範囲に定めがあります。
有限責任とは決められた範囲においてのみ責任を取ること、無限責任とは全部の責任をとることを意味しています。
法人で事業を行う場合には「有限責任」、個人事業の場合には「無限責任」ということが定められています。
そのため個人事業が事業資金として融資を受けたあとに、この事業が継続しなかった場合、この融資・借入金は個人に帰属するため、個人の財産を処分してでも、債務の支払いをしなければなりません。
その点、法人の場合は有限責任であるため、出資者が自分の出資額の範囲においてのみ責任を負うだけということがメリットとして考えられます。
具体的には、法人で事業に失敗し債務を負った場合であっても、原則として、法人の資産を処分して債務の支払いを行い、経営者個人の財産にまで支払い義務が及ぶことはありません(ただし、経営者が法人の債務を個人保証した場合を除く)。
出資額の範囲内でのみ責任を負います。
ただし、注意しなければならないのが、金融機関から融資を受ける場合、代表者個人を連帯保証人として求められることが多く、個人として署名をしているケースです。この場合、連帯保証人としての支払い義務があるため、事業規模が小さな法人、個人事業にした場合と差が少ない場合もあります。

(2)社会的信用が高くなる

法人化を行うと法人格が認められ、法人名義で事業を行うことができます
法人にすることにより法人名義の銀行口座を作り、その口座で融資を受けられるようになったり、法人名義で第三者の保証人を用意することなく事務所を借りることができたりします。
そのほかにも、社会的信用が高くなることにより「法人以外とは取引をしない」などの取引制限を定めている会社とも関わることができるのもメリットといえるでしょう。
また、個人事業主よりも法人のほうが助成金の審査においても有利に働く可能性があるため、法人化するメリットは多くあります。
なお、法人の場合、社長が亡くなったとしても継続して事業の存続が可能です。しかし、個人事業の場合は、事業主が亡くなると相続の観点から銀行の口座は凍結されるため、事業の継続性という面でも社会的な信用力が高く見られる傾向にあります。

節税対策ができる

法人にすると税法上においても多くのメリットがあります。例えば、青色申告をしている場合、損失がでても最大9年間その赤字を翌期に繰り越すことができます
この繰り越し期間は個人事業の場合は3年となっています。またこのほかにも特別償却・特別税額控除など税法上の優遇措置が受けられる他、消費税が事業2期目まで免税(資本金1,000万円以下の場合、別途要件あり)になります。
また所得税は累進課税制度を適用していますが、法人税の税率は一定のため、一定以上の利益を得る事業にとってはこちらの方が納める税金が少なくなる可能性があります。
また、経営者に給与を支払うことにより給与の所得控除の利用や退職金や生命保険料を経費とすることが可能です。法人格では、個人事業では必要経費にできないものでも経費にすることができるため、結果として節税効果があります。
さらに、法人であれば、経営者または経営者の家族へ退職金を支払うことができます。生存退職金は、退職所得となり所得税は軽減されます。
死亡退職金は、みなし相続財産となり、非課税額も大きいので税務上有利となっています。一方、個人事業の場合、事業主または事業主と同一生計内の親族へ退職金を支払うことはできません。

法人化のデメリット

法人化にはメリットだけではなくデメリットもあります。

費用と手間がかかる

会社設立において

会社設立を行う際には、最低でも株式会社では定款の認証費用(個人で行った場合約92,000円程、専門家に依頼した場合でも52,000円程)登録免許税(15万円~)を合わせた費用が必要になります。また、それに加え資本金も準備しなければいけません。

会社の維持において

利益がでていない場合でも法人化をすると、地方税の均等割が7~8万円かかります。会計においても、法人の場合は、必ず複式簿記で会計を行う必要があります。個人事業である場合には白色申告として複式簿記でない会計帳簿が認められているため、法人であるがゆえに複雑な管理を求められることになります。

このように、活動していなくても会社を維持するためには費用と手間がかかります

株式会社の場合、定期的な役員変更の登記義務がある

取締役、代表取締役、監査役の任期は、最長10年となっていますが、株式会社の場合、定期的な役員変更が義務付けられています。それぞれ決算期の3ヶ月以内に株主総会又は取締役会等、定款記載の決定機関で役員を選び直す義務があります。

上記に示したデメリットも考慮したうえで、法人化(会社設立)するかを決定する必要があります。

私たち松山会社設立・個人創業相談センターでは、法人化後のシミュレーションをした上で、最適な方向性を提案させていただきます。法人化(会社設立)の判断に迷ったら是非、ご相談ください。

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