身内からの資金調達について
ここでは身内からの資金調達をする場合についてお伝えします。
会社設立をしてこれから事業を運用するにも資金調達を行わなければならない場合があります。この資金調達先として検討されるのが身内や親族からの借入です。一見すると、借入が一番容易でリスクが少ない相手であると考えられるかもしれませんが、いくつか注意する点があります。
まず考えられるのが人間関係の悪化です。つい身内だからと甘えて、より多くのお金を借入したり、返済が滞ってしまったりすると人間関係が悪くなってしまうことも考えられます。そのようなことにならないためにも口約束での貸し借りはしないこと、また、金銭消費貸借契約書を両者同意のもとで作成することなどお互いが信頼関係を壊さないように注意を払って進めることが大切です。身内間のお金の貸し借りでも借入額が1,000万円以上の額になる場合には、担保を付ける等の契約内容とするケースもあります。さらに、親から子供に大きい額の金銭の貸す場合には、贈与税の対象となることもありますので気をつけましょう。下記でそれぞれの注意点について細かく確認しましょう。
金銭消費貸借契約書について
契約の主旨
金銭消費貸借契約は、債権者(貸す人)が一定の金額を債務者(借りる人)に貸し渡し、債務者が返済する契約のことです。この契約が存在することを証明する書面が金銭消費貸借契約書となります。この金銭消費貸借契約書は2通用意し、債権者と債務者がそれぞれ1通ずつ保管します。
契約書の内容としていくつかのことを明確にしておく必要があります。
明確にすること
- 元本(貸す金額)
- 金利(利息の有無)
- 返済の方式
- 期限の利益の喪失について
※期限の利益とは、約束した返済日までにお金を返済すればいいという権利です。 つまり、期限の利益を喪失すると、一括請求されるということです。
公正証書で作成する場合
金銭の貸し借りに関しては、金銭消費貸借契約書を公正証書で作成することをおすすめします。公正証書で作成する場合には専門家への依頼をご検討ください。公正証書で契約書を作成すると万が一、債務者の返済が滞ってしまっても、債権者は裁判上の手続きを経ずに、速やかに債務者の財産を差し押さえることができるなど、強制執行の手続きを進める事ができます。
贈与税について
贈与税とは110万円を超える贈与が一年の間にある場合に課される税金のことです。贈与税の対象になる贈与とは現金のことのみを示すのではなく現金のほかに預金・不動産などの財産であれば、全てが対象です。会社設立のことでは、具体例としては、親から子供に事業の運営資金とし、400万円を渡した場合には、贈与税の対象となるケースもあるため、注意が必要です。
この場合では渡した400万円から贈与税の基礎控除額である110万円を差し引いた290万円が課税対象になります。課税対象になった場合には、贈与を受けた人が、贈与があった時の翌年の3月15日までに申告・納付を行わなければなりません。
贈与としないためには借用書や金銭消費貸借契約書を作成し、金銭を”あげた”のではなく、”貸した”ということにすることが重要でありこの場合、贈与税の対象とはなりません。ただし、借入に対する利息等を想定していないと、その利息分(110万を超える場合)が贈与とみなされたり、返済が滞りいつまでも返せない状態が続いたりすると、税務署も贈与したものとして扱う可能性もありますので注意が必要です。
松山会社設立・個人創業相談センターでは会社設立時の資金調達のサポートをしております。最後まで丁寧にお手伝いさせていただきますので、お気軽にご相談ください。